森脇氏が語る阪神・金本監督への期待 「落ち着きと躍動心を強く感じた」

金本新監督は「本当にいい顔をしている」

――森脇氏は昨年、金本氏が阪神の監督に就任してから何度か顔を合わす機会があったと聞きます。

「本当にいい顔をしているなと。あれだけの舞台を戦ってきた人だけに当然と言えば当然だが、成功の喜び、怖さを味わってきている。阪神という人気チームで監督をするのはどれほどの圧力がかかってくるのか。そこを認識した上で言動などを聞いていると心が躍動していました。落ち着きと躍動心を強く感じましたね」

――監督を引き受けるにはマスコミ、ファン、球団から想像以上のプレッシャーもかかってくる。契約年数は3年。就任時には坂井オーナーも「つぶしてしまって新しく作る」と口にしている。チームの状況がよければ大きく取り上げられるが、敗戦が続くとこれもまた大きく叩かれる球団だ。

「そこは阪神の監督を受ける上での宿命でもあります。改革、変革には、緻密な計算力と壮大な想像力、限界を超えた熱意が不可欠だと思います。何かに向かって行く時には逆風が吹くものです。今回の阪神には、決してリスクを恐れず、急がば回れの思考が伝ってきます。常に明確なビジョンのもと、困難な時こそ成長のチャンスだと捉え、ベクトルを統一して歩まなければ基盤は作れない。

 そういう意味で坂井オーナーのつぶしてしまって新しく作るの発信はチームだけでなくファンの方々にも勇気と大きな力を与えると思います。また、金本監督にはキャリア十分な高代ヘッドコーチ、心底からものが言える片岡コーチの存在も大きいでしょう。そういった環境も金本監督を落ち着かせている要因だと思います。阪神を含め楽しみな1年になることは間違いありません」

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

森脇浩司(もりわき・ひろし) プロフィール

1960年8月6日、兵庫・西脇市出身。55歳。社(やしろ)高から1978年ドラフト2位で近鉄入団。84年に広島、87年途中に南海に移籍し、96年限りで引退。通算843試合、打率2割2分3厘、14本塁打、75打点。1997年から2009年までダイエー、ソフトバンクでコーチや2軍監督を歴任し、06年には胃がんの手術を受けた王監督の代行を務めた。11年に巨人の2軍内野守備走塁コーチ。12年からオリックスでチーフ野手兼内野守備走塁コーチを務め、同年9月に岡田監督の休養に伴い代行監督として指揮を執り10月8日の最終戦終了後に監督就任会見を行った。監督通算成績は341試合202勝193敗11分け。勝率5割5分1厘。178センチ、78キロ。右投右打。

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