紙に書き出した将来の目標と年俸 オリックス西勇輝に聞く進化へのプロセス
現実離れした目標が現実に、「現実的じゃなかった数字にも、ちゃんと届いている」
「プロ野球選手というのは、この先何年できるか分からない仕事。改めてそういう危機感が生まれたんです。結果を出すためには、運も味方につけなくてはならない。それも実力のうちかな、と。そのために、やって損はないと思って始めました」
何歳までにこれをクリアして、何歳までにこれだけ稼ぐ。目指す成績と年俸は、具体的な数字で紙に書き出した。それを1年後、2年後はもちろん、10年後、20年後までシミュレーションする。シーズンに入ったら、1か月ごとの短期目標も忘れない。
「そのくらい具体的じゃないと、プロフェッショナルとして立ち向かえません。ただ一軍で活躍したいという漠然とした目標では、ここぞという時に力が出ないですから。プロ1年目のオフに立てた目標は、当時の僕からすると現実離れしたものが多かった。でも、少しずつそこに近づいています。あの頃は現実的じゃなかった数字にも、今はちゃんと届いています」
チームには、西投手にとって「エースの理想形」である金子千尋投手がいる。「金子さんは練習を抜いてやることがない。とてもストイックです。だから、何も言わなくても周りが自然とついてくる。金子さんが投げて負けたら仕方ないと思わせるような存在です」
西投手の記憶に強く残っているのは、2014年5月31日の巨人戦。金子千尋投手がノーヒットノーランを逃した試合だ。