球場は進化し続ける? 日本球界も米国参考に本拠地改修ラッシュ

野球スタジアムをボールパークへ、終わりなき追及

 もう一つ、このフロンティア・フィールドを職場としていた時、記憶に残っているシーンがある。試合当日の全体練習が始まる前に、ウエディング衣装の新婦新郎とその友人たちが球場内で写真撮影をしていたことがあった。練習のためグラウンドに出てきた選手たちはその光景を見て、彼ら彼女たちをグラウンドに呼び、キャッチボールをして写真撮影に協力したのだ。地元の球場が地元の人に愛され、さらには選手たちのとっさの判断で一生記憶に残る思い出が作られていくのである。

 アメリカの野球界では、今後も建設・改修ラッシュが続く。シカゴ・カブスの本拠地、リグレー・フィールドは100年以上の歴史を誇るが、4年計画で改修工事を進め、着々と伝統と新しい形を融合した球場が完成しつつある。そしてアトランタではブレーブスが2017年開幕から新たな球場をホームにする予定としている。

 地元ファンに愛され続けるために進化を続ける球場。時にはファンのため、さらには利益を追求して驚くような決断を求められることもある。そして時には一人一人の笑顔のために、さまざまな企画でスポーツの醍醐味である「何が起こるか分からないストーリー」を生み出すことで、愛されるボールパークを目指す。

 野球スタジアムをボールパークにしていく構想は終わりなき追求かもしれない。だが、毎年のように進化を遂げていくスタジアムがあるからこそ、皆が足を運ぼうと思うのではないだろうか?

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

新川諒●文

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