パはホークスが三軍制、MLBでは七軍以上も!? マイナー組織の存在意義とは

「予備軍」は優勝に不可欠、メジャー行きは「A cup of coffee」

 そのためメジャー登録選手が育休・忌引リストを利用すれば、下部組織から選手が1人昇格する。例えば、3Aからメジャーへ選手が昇格することとなれば、トリプルAのチームも選手が1人少なくなるため、ダブルAから昇格する選手が出てくる。メジャー選手が1人チームを離れることにより、組織全体で何人もの選手が上の組織へと移動することで、多額な人とお金がその日に動くのである。

 ちなみに数日間だけメジャーの舞台に行くことを、「A cup of coffee(コーヒーを1杯飲みに行く)」という言い回しが使われるほど、このようなケースは浸透している。

 こういった状況に素早く対応するために、下部組織には常に、メジャーの舞台で結果を残せる選手を準備させておく必要がある。

 また、アスリートにケガは付き物。特にキャンプでの調整不足、暖かいキャンプ地から極寒の地での開幕により、4、5月には特に故障者リスト入りする選手は後を絶たない。

 しかし故障した選手の代わりに遜色ない結果を残せる選手が下部組織にいれば、故障を抱える選手に無理をさせる必要もなくなってくる。シーズン開幕当初は本当に選手の入れ替わりが激しく、新しく昇格する選手のユニフォームやロッカーを準備するスタッフが忙しく動き回っている印象が残っている。

 いろいろな状況を予測して、「メジャー予備軍」を下部組織で準備しておくことが優勝のためには不可欠。そのためキャンプが始まった今、先発投手を10人準備させるなど多くの選手を試しているのは、いつどんな状況でも組織全体の戦力を首脳陣、フロント、そして選手たちが把握するためのものでもあるだろう。

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