「名前で注目イヤだった」―西武ドラ6本田圭佑、同姓同名の葛藤を越えて

苦悩からプラスのパワーへ、サッカー日本代表と同姓同名の右腕が歩んできたプロへの道

 西武のドラフト6位ルーキーの名前は本田圭佑投手。東北学院高時代から、サッカー日本代表の本田(現ACミラン)と同姓同名ということで話題になってきた。今では「すぐに覚えてもらえる」とプラスに捉えているが、かつては葛藤もあった。

 2月20日にB班で予定されていた阪神との練習試合に先発する予定だった本田。雨のため、残念ながら中止となったが、初めてのプロのキャンプを順調に過ごしたことがうかがえる。1月にルーキーイヤーのビジョンを尋ねると、「2、3年後に先発して活躍できるようにと言われているので、1年目からというよりは、先を見据えてやらせていただいています。1年目に関しては、キャンプで(課題を)見つけたいと思っています」と話していた。

 怪我なく練習を積み重ね、B班の練習試合とはいえ先発の機会があったということは、期待の高さを表しているだろう。

 生真面目。本田の性格はこの一言に尽きる。

 練習で手を抜くことはないし、他人に流されるところもない。大学野球引退後も、まるでまだ大学野球が続くかのように後輩たちと同じように練習に励んでいた。そんな姿を見ていた東北学院大・菅井徳雄監督は「センスや素材はどうってことがないかもしれないけれど、努力する真面目さは天下一品。努力を苦にしない」と自信を持って話していた。

 自分の実力に納得したこともない。常に高いレベルを求めてきた。東北学院高・渡辺徹監督は懐かしそうに振り返る。

「三振を取っても一喜一憂しない。目の前の結果に心を奪われるということがないですね。ブレないです。強いなって思いますよ」

 ドラフトも近いというのに、4年秋のリーグ戦中には「野球の実力が足りていない」と漏らしたこともある。どんな時も実力を高めようと自分と向き合い、ただひたすら真面目に野球に取り組んできた。本田とは、そういう男だ。

 本田が高校2年だった2010年。サッカーW杯南アフリカ大会で日本はベスト16入りしたが、その原動力となったのが2ゴールを挙げた本田圭佑だった。まだW杯の余韻が残る中、夏の高校野球がスタート。東北学院高の本田は、2年生ながら背番号1を付けた。2010年7月15日。初戦に先発し、4回2安打1失点。4回戦では延長15回引き分け再試合を演じた。準々決勝で仙台育英に敗れたものの、8回2失点と好投した。

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