「自分でポジションを奪え」 「捕手・森友哉」を育てる西武の方針とは?
捕手としては「10段階評価で2か3」も「中村、メヒアのあとを打てるのは森だけ」
そして、これこそが野口氏が「ホッとした」理由だという。自身は現役時代、2000年に日本ハムで「恐怖の8番打者」と言われ、134試合出場で打率.298、9本塁打、76打点を記録した。ただ、捕手としてシーズンを通してプレーするのは、やはり苛酷だという。
「DHで1年過ごすのと、キャッチャーで1年過ごすのは、雲泥の差ですから。キャンプで1か月間、毎日特守をやっても、体力的に1年間を乗り越えられないのですから」
それだけに、まずは基礎を作り上げることが重要となる。
「今季から作戦コーチに就任した橋上(秀樹)さんに聞かれたんです。『友哉どうだった?』と。なので『10段階評価で2か3でしたよ』と言ったら『まぁ、そうだよな。甘くないよな』と笑いながらおっしゃってました。なので、首脳陣の共通の見解として、時間はかかるけど、なんとかしていこうというところだと思います。
でも、首脳陣の考えを聞いて、森の将来を考えると、少しホッとした部分はあるんです。『しっかりしたものが出来上がってから、自分でポジションを奪いなさい』というスタンスなので。ポジションを与えられて、目をつぶってでも(試合に出られる)という感じではないので」
打撃が非凡なだけに、西武にとって「打者・森」は必要不可欠な戦力だ。野口氏も「中村、メヒアのあとを打てるのは、あのチームでは森だけですからね」と言う。森が捕手として“独り立ち”をした時、日本の野球界にまた新たな風が吹くことになるのかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count