新人王の最有力候補!? 実戦12イニング無失点、DeNAドラ1今永の凄さとは
ルーキーとは思えない冷静さ、新人王戦線の主役に
これが、このサウスポーの真骨頂だ。チェンジアップは大きな落差を生み、単体でのウィニングショットにする投手もいるが、今永は違う。単純なキレというだけでは凄みに欠けるが、それを補う方法を知っているのだ。実際に、こう語っていた。
「自分のチェンジアップは上下で勝負するものではなく、前後で勝負するもの」
上下とは「落差の変化量」を差し、前後とは「打者のタイミング」を差す。今永は自身のチェンジアップの球質を冷静に分析。変化量ではなく、タイミングで勝負すべきものと判断しているから、打者のウラをかき、より効果的に見せる技を駆使している。その投球術は勝つ方法を熟知し、もう何年もプロでキャリアを積んできたようなクレバーな投手という印象である。
これで実戦デビューから12イニング連続で無失点。それでも「いつかは打たれる時が絶対に来る。いい時にこそ、反省していかないといけない」と慢心はない。マウンド上と同じように、常に冷静に自分を客観視できているように映った。
すでに29日からの本拠地開幕カード巨人戦でのシーズン初登板が内定しており、期待値は高まるばかり。ピッチングも、振る舞いも、ルーキーとは思えない冷静さを見せ続ける今永。新人王戦線の主役を堂々と張れる逸材だ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count