「今年こそ」はこれで最後― 西武・菊池、開幕投手抜擢で芽生えた責任感

今年から取り入れた「脱力投法」、「力がフッといい感じで抜ける」

「昨年も9勝で止まってしまって、あと一つ勝ちたかったという思いがありました。やはり先発を任されたピッチャーとして、シーズンを通して投げることと、二桁勝利をすることの二つは最低限クリアしなくてはいけない。『今年こそ』って毎年言っているんですけど、今年は本当に今年こそという思いが強いです」

 菊池投手のこれまでの成績を振り返ると、1年目から4勝、4勝、9勝、5勝、9勝と、二桁勝利をまだ達成していない。10勝というハードルを超えるための策になりそうなのが、オープン戦で取り入れた「脱力投法」だ。

「キャッチャーに5~6割の力で投げてみろと言われてやってみたんです。最初の試合では、『こんなに力抜いてもいいの?』って思ったんですけど、だんだん慣れてきて、リズムよくバランスよく投げられるようになった。全体的に安定して、再現性もグッと高まりました。しかも、思ったより球速も落ちないし、制球も定まる。キャッチャーが言いたかったのはこのことだったのかと。今までどれだけ力任せに投げていたんだって思いますね」

 もともとプレー中に力を入れてしまう癖があった。特に気持ちが入った時は過剰な力みとなり、それが原因でピッチングが崩れることも多かった。しかし、今はそれを攻略する術を身に付けつつある。

「でも、脱力って難しいですよね。力を入れることは誰でも簡単にできると思うんですけど。僕は、力むときに歯を喰いしばる癖があるので、上の歯と下の歯をくっつけないように意識しています。その状態で投げると、力がフッといい感じで抜けるんです」

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