いつだって最後のつもり―6年連続8度の手術を乗り越えたロッテ右腕の覚悟
胸に秘める覚悟、「いつだって最後のつもり」
札幌で勝利したものの志半ば、福岡で敗れ、マリーンズの2015年は終わった。それでもセットアッパー陣の気持ちは西野に通じた。そして今季、パ・リーグ最強の中継ぎ、抑えのリリーフ陣は万全、最高の状態で開幕を迎えようとしている。
「ここまで毎年のように怪我をして、いつ野球人生が終わっていてもおかしくはなかった。だから、失うものはないと思っています。いつだって、最後のつもりで、全力で投げたいと思います。悔いを残さないように燃える。怪我を怖れるような投球だけはしたくはない。いつだって全力。毎日、試合後に倒れ込むぐらい全身全霊の投球を見せたいです」
開幕を目前に控えたロッカールーム。熱い気持ちを抑えきれない内は、まくしたてるように今季に賭ける決意を語った。
王ジャパンによる第1回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)優勝に沸いた直後に行われた06年の福岡でのホークスとの開幕戦。20歳の若者は2番手として7回から登板をすると1回を被安打2、1四球、2失点。緊張の中、無我夢中で投げたが、ほろ苦い思い出しか残っていない。
あれから長い月日が流れた。そして今年、内はその時以来の開幕の舞台に立つ。
「調子、状態はいいです。楽しみです!」。2016年、3月25日、QVCマリンフィールド、対北海道日本ハム戦。スタンドは超満員に膨れ上がる。今、この舞台に立てることを誰よりも感謝しながら、そして味わいながら内は13年目のシーズンを一軍で迎える。
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
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マリーンズ球団広報 梶原紀章●文 text by Noriaki Kajiwara