楽天・則本が王者相手に力投 譲り合ったウイニングボールの行方は―
球団創設12年目で初の本拠地開幕戦白星、則本「勝ったら渡すと決めていた」
背番号14は納得の表情を見せた。梨田監督も「さすがだなと。初回は不運な当たりがたくさんあってね。ほとんど、(バットの)芯では捉えられていないんですけど。逆転してからはさすがだなというピッチングをしてくれました。我慢強く、辛抱してくれた」とたたえた。
球団創設12年目で2度目の本拠地開幕戦。前回の12年は敗れているため、楽天が初めてつかんだホーム開幕戦の白星だ。則本は「勝ったら渡すと決めていた」とウイニングボールを梨田監督に渡したが、指揮官は「則本にあげようかなと思っている」と返却を示唆。報道陣から伝え聞いた則本は「じゃあ、梨田さんからもらったら球団に渡します」。球団史上初のホーム開幕戦勝利のボールだけに、その行方はいかに――。
16年シーズンを白星発進できたが、投球には課題が多く残った。「フォアボールも多かったですし、制球も定まっていない部分も多かったですし、試合も長かったので。もっともっと詰めていかないといけない部分はあります」と反省が口をつく。
「今年1年でもっともっとレベルアップできるように。今日の勝った喜びは今日だけにして、明日からまた反省するところは反省して、次の試合からレベルアップした自分を見せられたらいいかなと思います」
勝利の余韻はこの日のみ。これからはまたステップアップの日々だ。
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高橋昌江●文 text by Masae Takahashi