打てる手はあまり多くない? ラミレス新監督が直面するセンターライン問題

効率改善につながりそうな「2番・梶谷」

 構想として伝えられている梶谷を2番に置く策についても、ロジカルな判断に見える。打順を考えるとき、優秀な打者に多くの打席を回すことは、得点を増やすための基本となる。いい場面でいい打者に回るか、回らないか、という噛み合わせの問題はもちろんあるが、前提として考えるべきなのは優れた打者に多くの打席を回し、劣った打者の打席を少なくすることだ。DeNAでいうと筒香やロペス、梶谷に多くの打席を回さなければならない。

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DeNAが各ポジションに割り当てた打席(2015)

 次のイラストは2015年のDeNAのポジション別打席数と、出塁・長打の両面から推定した総合的な得点創出力を示すwOBA(Weighted On-base Average)の数字でつくったグラフだ。

 これを見ると筒香の左翼、梶谷の右翼など強打者に多く打席を与えている一方、打力に欠ける二塁や中堅の選手にも、必要以上に打席を多く与えてしまっているのがわかる。これらのポジションの選手が1、2番を務めることが多かったことが原因だろう。「2番・梶谷」構想では、昨シーズンクリーンアップを務めた梶谷、ロペス、筒香、3人のセットを2、3、4番に配置することとなり、彼らに多くの打席を与え、劣った打者の打席を減らすことにつながる。2番に強打者を置くというと、バントをしない志向の表れとして取り上げられがちだが、持てる戦力を効率的に発揮させようという、シンプルな志向である場合もある。

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