選抜決勝で好ゲーム展開 智弁学園、高松商両監督に見る現在の選手指導法

決勝に勝ち上がった両校、その裏にはどのような指導があったのか

 第88回選抜高校野球は智弁学園(奈良)が高松商(香川)を延長11回サヨナラで2-1で下し、初優勝を果たした。4万人を超える大観衆が好ゲームを展開した両校に惜しみない拍手を送った。智弁学園・小坂将商監督、高松商・長尾健司監督ともに成長した選手たちのプレー、立ち振る舞いを温かい目で見守っていた。

 決勝を戦った2人の監督に共通しているのは、熱血漢ということ。生徒を厳しく叱責することもあれば、アフターケアも欠かさない。このバランスに長けていた。

 智弁学園の小坂監督は1995年の夏の甲子園で同校の一員としてプレーしており、38歳と若い。法政大でも主将で、社会人野球・パナソニックにも所属。厳しい上下関係の中で野球をしてきた。

 ただ、厳しさの一方通行では選手は伸びないとも感じていた。監督就任した当初は、指導したことができな選手に「何でできないんだ?」と頭ごなしに怒ることも多かった。しかし、その手法では選手が自分から動かなくなることに気がついたという。

 そのため、選手に自分から歩み寄るようにした。怖い監督から、時にはジョークも言うメリハリのある監督になった。すると選手と話す時間が増え、生徒たちが何を考え、何に悩んでいるのかが手に取るようにわかったという。また、叱るタイミングも重要なようで「大会中は怒らないですね。いつもおだてるようにやってます」と選手の気持ちを乗せるように心掛けた。選抜中も、気持ちが落ちている選手がいれば、すぐに声をかけにいった。

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