21世紀枠出場で初勝利 釜石の甲子園1勝の裏にあった「言葉の力」

小豆島との21世紀枠対決を制した釜石、選手の力を120パーセント引き出した言葉とは

 言葉には選手の力を120パーセント引き出す効果があると感じさせられる出来事だった。

 智弁学園(奈良)の初優勝で終えた第88回選抜高校野球大会。注目された試合のひとつに大会2日目の21世紀枠対決、釜石(岩手)―小豆島(香川)があった。釜石が2-1で接戦を制して勝利。両校ともスタンドが一体となった戦いとなり、大会屈指の好ゲームだった。

 釜石の佐々木偉彦監督は「思ったより選手たちも私も落ち着いてやれたと思います。球場は大きいし、すごい雰囲気でした。楽しんでやれた。アルプス席の声援も聞こえました。選手達が本当によくやってくれたと思います」とこの甲子園1勝を振り返った。練習の最後にはいつも校歌を歌ってきたが、練習通りの歌声が甲子園に響いた。

 勝利へ導いたのは、気合の入った選手たちのプレーだけではない。野球部のスタッフは選手たちに内緒で、全選手の家族からの手紙を書いてもらっていた。試合2日前に手渡し、選手たちが思い思いにそれを読んだ。試合前には全員、手紙をバッグにしまった。「試合中も緊張したら手紙を読んでもいい」と小谷地太郎部長は選手たちに伝えた。

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