前田健太、MLBデビュー戦で勝利投手の権利持ち降板 6回無失点&初本塁打
6回5安打無失点4K無四球の快投、4回には衝撃の一発
ドジャースの前田健太投手が6日(日本時間7日)、敵地ペトコパークでのパドレス戦でメジャーデビューを果たした。コントロール抜群の投球でテンポよくアウトを積み重ね、6回5安打無失点4奪三振無四球と快投。4回にはメジャー初本塁打を放ち、敵地に衝撃を与えた。前田は5-0とリードを守り、勝利投手の権利を持って降板した。
初回、ドジャースはいきなり猛攻を見せ、4点を奪取。なおも2死一塁で8番エリスに打席が回った。ベンチの前田は初打席に備えて慌ただしく準備を始める。「メジャー初登板」よりも「メジャー初打席」が回ってくるかと思われたが、エリスは中飛。前田は再び慌ただしく準備をしてマウンドに向かった。
初回、先頭ジェイへのメジャー第1球は90マイル(約145キロ)の直球。2球目もボールとなったが、見逃しとファウルでカウント2-2とすると、最後は直球で二ゴロに仕留めた。さらに、スパンゲンバーグは直球で三飛、強打者ケンプはカーブで左飛に打ち取り、初回は3者凡退の好スタートとなった。
2回は先頭のマイヤーズをスライダーで見逃し三振に仕留めたが、続くソラルテの三塁方向へのセーフティーバントを自ら処理し、一塁へ悪送球。ボールがスタンドへ入り、バッターランナーは二塁へと進んだ。内野安打とミスで1死二塁とメジャー初ピンチを招いたが、ノリスはスライダーで三ゴロ、ラミレスは直球で二ゴロに打ち取り、無失点で切り抜けた。
3回はブラッシュをスライダーで空振り三振、キャッシュナーをカーブで遊ゴロ、ジェイをスライダーで三ゴロと3者凡退。そして、その直後の攻撃で大きな見せ場が訪れる。
4回、1死走者なしで打席に立った前田は、2ストライクからキャッシュナーのスライダーを捉えた。完璧な打球がレフトスタンドへ着弾。敵地が騒然とする中、驚いた表情を浮かべながらダイヤモンドを一周してダッグアウトに戻った前田を、エース左腕カーショーらチームメートが大喜びでもみくちゃにした。広島時代から打撃にも定評のある右腕が、衝撃の一発を放った。
ドジャースは開幕から2試合でホームランが出ておらず、これがチームの今季1号。前田の日本時代の通算本塁打は2本だった。
その裏、前田は1死からケンプ、マイヤーズに連打を許して一、三塁とピンチを迎える。しかし、ソラルテを一ゴロに仕留めると、ノリスも92マイル(約148キロ)の直球で一ゴロ。ベースカバーに入り、ゴンザレスからの送球を受けた前田は雄叫びを上げ、グラブを2度叩いた。
5回はラミレスを三ゴロ、ブラッシュを二ゴロ、代打ジャンコウスキを空振り三振で3者凡退。しかし、6回は先頭ジェイに中前打を許すと、スパンゲンバーグは遊ゴロ。二塁手アトリーが一度ボールを落とし、セーフと判定されたが、チャレンジでアウトへと覆った。
さらにケンプに中前打を浴びて1死一、三塁とされたものの、マイヤーズは投ゴロ。ゴンザレスは本塁へ送球し、クロスプレーでアウトに。パドレスはチャンジしたが、判定は覆らなかった。最後はソラルテをチェンジアップで空振り三振。前田はピンチを切り抜けた。これでチームは開幕から24イニング連続無失点の新記録を樹立した。
その後、球数が84球に達した前田がダッグアウトに戻ると、ロバーツ監督が握手を求める。デビュー戦は5-0とリードを守り、勝利投手の権利を持って降板。6回を投げて5安打4奪三振無四球で無失点。84球でストライクは57球だった。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count