助っ人たちが日本プロ野球に帰ってくる理由 限られたイスを巡る戦い
外国人選手はなぜ再び日本に戻ってくるのか
今シーズンも多くの外国人選手がプロ野球での経験を積んで、米国に仕事場を戻さずに再び日本の別球団でのプレーを選択した。彼らは日本で実績を積んだにもかかわらず、何故再び日本に戻ってくるのだろうか。
外国人選手は日本へお金を求めてやってくる選手も多い。だが球団側も日本の野球に適応出来るか分からない存在に初めから多くの金額や複数年契約で保証するほどお金が溢れているわけではない。
そのため1、2年日本の野球に適応出来ることをアピールし、より良い状況を求めてチームを歩き渡るのは外国人選手にとっては当たり前のことかもしれない。
プレーする場として日本を選ぶ外国人選手たちには、一度メジャーリーグという舞台が閉ざされてしまった者も多いはずだ。マイナーリーグでもFA制度があり、40人枠に入れなかった期間が1032日間(メジャー在籍期間の6年に相当する)に達した選手には他球団と契約をする権利が得られるが、それまでは球団に保有権がある。その期間でメジャーリーグに定着する道筋を作ることが出来なければ、環境の変化を一番に考えるはずだ。
保有されている期間、一つのチームでチャンスを与えられずに終わるという選手は少ない。メジャーリーグでは多くの選手にチャンスを与えるようさまざまな制度がある。40人枠外の選手の中で18歳以下でプロ入りした選手は4年間、19歳以上でプロ入りした選手であれば3年間プレーすれば「ルール5ドラフト」の対象となり、保有権が切れる前に違った環境でチャンスを得られる可能性がある。さらには選手の異動が活発におこなわれるため、マイナーリーガーであってもトレードの対象となるケースは多くある。
そのためマイナーでの保有期間を終えて、全くメジャー定着への道筋が作れなかった選手は一度日本など海外で活躍の場を求めるか、マイナーリーグで野球を続けていくと割り切るかの選択に迫られる場合もある。
ただ野球選手も私たちと変わらず、プロ生活6年目を迎える頃には高卒であれば24歳、大卒であれば27、28歳と結婚を考えたり、すでに子供が生まれたりしている年代だ。メジャーリーグに一度も近づくことなく、プロ生活を続けている者にとってはセカンドキャリア(現役後の人生)が頭を過る時期だろう。
最後にチャンスがあれば、日本を舞台に一花咲かせて、上手く行けばメジャーリーグに帰ってこようと考える選手がいても不思議ではない。おそらくそういう考えを持った選手が海を渡り、日本へやってくるのだろう。