柳田悠岐の鋭いゴロをアウトに ロッテが採用した「柳田シフト」に迫る
「柳田シフト」はさらに極端であるべき
柳田の打球傾向はどうだろうか。柳田のゴロはレフト方向から11.0%、38.5%、50.5%と最初のイラストで紹介した一般的な左打者以上に極端な引っ張り傾向が出ている。もちろん三塁線寄りのスペースへのセーフティバントを無視することはできないが、わずか11.0%のゴロのためにレフト方向に多くの内野手を配置する必要性は低いはずだ。
2つめのイラストに、ロッテが柳田に対してとったポジショニングを示した。遊撃手がレフトからセンター方向に移動しているほか、全体的に打球が飛びやすいライト方向に寄っているのがわかる。守備の目的はより多くのアウトをとり、失点を防ぐことである。より打球が飛びやすいところにポジションをとるのは理にかなっている。
しかし、このロッテのシフトも、柳田の打球傾向からすればまだ十分とはいえない。イラストで黄色く示しているのは、2015年に柳田が最もゴロを飛ばしたゾーンである。ロッテの「柳田シフト」ではこの打球へ対応しきれないのではないだろうか。二塁手をさらに右に寄せ、右翼手の前に配置するような「テッド・ウィリアムズ・シフト」をとって良いのかもしれない。