前田に敵地脱帽!? “打者天国”で5回まで無安打に「野茂の記憶を想起させた」
ロッキーズの監督・選手も脱帽「全く流れを掴むことができなかった」
「コロラドの球場は2度とノーヒッターを目撃できないほど、この上なく厄介なのだろうか? スカリーは正しいかもしれない。そんなことは実現できない。少なくともそう頻繁には。20年の時を経て、ノモのノーノーに迫った投手は1人もいなかった。だが、日本からやってきた新たな投手、ケンタ・マエダがその可能性を大いに喧伝したのだった」
標高の高さから空気抵抗の少ないクアーズ・フィールドでは、打球が他のスタジアムよりも飛びやすく、「ヒッターズ・パーク」と呼ばれている。1995年の完成以来、ノーヒッターを実現したのは野茂氏のみだ。「マエダとノモは日本の同じ大阪府出身。デンバーから6000マイル(約9656キロ)離れているが、二人の道はドジャーズがデンバーにやってきた時に交差した」。記事ではデンバーで好投を見せた2人の共通点についてこうレポートしている。
強打のロッキーズ打線は、6回1死から9番ラメーヒューがセンター前に初ヒットを放ったものの、前田の投球には白旗を上げている。記事によると、主砲のカルロス・ゴンザレス外野手は「失投がほとんどなかった。メジャーでは(投手は)コーナーを攻めなければいけない。そして、彼は一晩中コーナーを突いていた」と脱帽。ウォルト・ワイス監督も「彼は全てをコントロールした。我々は全く流れを掴むことができなかった」と振り返ったという。
ノーヒッターの偉業はならなかったが、敵地は監督も選手もメディアも前田に対する賞賛を惜しまなかった。投手に圧倒的に不利とされるクアーズ・フィールドでの快刀乱麻のピッチングで、アメリカにおける前田の株価はまたしても急騰しているようだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count