独立Lで「3足のわらじ」 岩村明憲氏の今「福島県のために野球をやってる」

渡米に必要な覚悟、マイナー拒否の韓国人野手には「現実を受け入れることも覚悟」

――ご自身の経験を踏まえ、BCリーグでもアメリカで野球をしたいという選手がいたら『行ってこい』と送り出しますか?

「もちろん、もちろん。『アメリカの独立リーグに行きたいです』って言われたら『おお、行ってこい』って送り出す。ただ、多分ここよりもっと環境は厳しいぞって話はしている。その覚悟がないと行っちゃいけないと思うんだ。いい待遇を求めて行っても仕方ない。3Aでもバスで10時間の移動があるんだから、独立リーグはもっとあるでしょ」

――独立リーグに限らず、日本人選手がアメリカでプレーする時には、ある程度の覚悟は必要ですか?

「違いはあるから。それを受け入れる覚悟がないと難しいよね。少し前にも、ボルチモアの金(賢洙)がマイナー行きを拒否したって出てた。確かに、アメリカは契約社会だから権利を行使することは大事。でも、マイナーに行かなきゃいけないっていう現実を受け入れることも覚悟だよね。受け入れて、マイナーに行った後で(メジャーに)上がってくれば、ボルチモアのファンは彼をすごく温かく迎え入れたと思う。自分でハードルを高くしてしまった部分はあるよね。活躍するのって、成績を上げるとか実力だけじゃなくて、その(地元)の水に合っているかって、すごく大事だから」

――昨年末からは球団代表の肩書きも増えました。

「福島を盛り上げるために、いろいろやっていこうと思ってね。今、独立リーグはBCリーグと四国アイランドリーグ、全体で12チームある。今度は滋賀と宇都宮に2つチームが増える予定もある。今、NPBはジャイアンツとソフトバンクが3軍を持っているけど、地域に密着している独立リーグのチームと提携してもいいんじゃないかと思うんだよね。

 新たに3軍を作ると5~10億かかるものが、例えばBCリーグだったら1億から1億2000万で経営が成り立つ。そこにNPBが乗っかってもいいんじゃないのって。俺の場合、アメリカのマイナーでプレーした経験が、こういうところで生きてくる。アメリカってどこのマイナー球団でも経営努力って半端ない。毎試合2万人近く観客が入るんだから。(レイズ傘下3A)ダーラムってすごいなって思った。あそこに野球を見に行ったら楽しいんだよ。『何ここ?』っていうくらい。そういうのを目指していきたいね」

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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