王者ホークス支える勝負強い打撃 「4番・内川」はいかにして復調したのか
原点回帰の内川、打率トップ&勝負強い打撃
4番として2年目を迎えた今季。「フェアゾーンの90度を使って打つのが、自分の打撃」と原点に回帰し、自主トレ、キャンプと過ごしてきた。長打を狙うのではなく、単打でもいい。“つなぎの4番”としてチームのために生きることを選んだことが、本来の姿を取り戻させた。
打率3割3分3厘はパ・リーグトップ。18打点はリーグ5位タイにつけ、松田に続くチーム2位。長打狙いを捨てたにも関わらず、リーグ4位タイの4本塁打。昨季は開幕から約2か月かかった本数に早くも到達している。
何よりも凄いのが、その勝負強さ。開幕して23試合を消化し、ソフトバンクは14勝7敗2分け。その14勝のうち、実に6試合で勝利打点を挙げているのが、内川である。ここ一番、勝負を決定付ける場面での輝きが一際際立っている。
4番が機能していることで、チーム状態も良好だ。3番に座る柳田悠岐のバットがなかなか上向いてこないが、プロ野球記録に並ぶ18試合連続四球をマークするなど、出塁という面では十分な働きを見せており、それを内川、そして5番の松田が返すことで得点を生んでいる。
工藤体制で最長タイとなる8連勝をマーク。一時は「3」あった借金を瞬く間に返済し、気付けば貯金7まで伸ばしている。早くも首位に立ち、ひた走りそうな気配を見せる王者。その中心に、内川聖一という4番がいる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count