大谷翔平、狙われた“弱点” 長いトンネル抜けるも課題残す

剛速球投手から、ほんの少し変化球投手に

 しかし大谷にも日本ナンバーワン投手としての意地がある。お立ち台では「色々変えながらいった」とコメントしているが、剛速球投手から、ほんの少し、変化球投手に変えていた。3回から9回まで無安打投球。2回を除くとノーヒットピッチングで、最後の鈴木にはこの日最速タイ158キロで見逃し三振に打ち取り、「8回を終わって、最後まで行くと言いました」と138球、志願の完投で初勝利に花を添えた。

「全体的に変化球が通りやすかった。1点差だったし、3回以降は追いつかれないように、一人ひとりしっかり投げた」とスライダー中心の投球にモデルチェンジしたことが、好調ロッテ打線には効果的だった。象徴的な場面は8回。4番のデスパイネを迎え、スライダー、フォークで追い込み、バッテリーのアイコンタクトで「真っすぐを狙っているバッターに、真っすぐをなげるピッチャーはいないでしょう」とスライダーで見逃し三振に抑えた。

「長い間(初勝利を)お待たせして。ここから連勝したい」とヒーローインタビューで答えた大谷。しかし栗山監督は厳しい。試合前「自分のことを捨てて、チームを何とかするという思いで投げて欲しい」と言っている。9-4で勝利し、同一カード3連敗は阻止したが「今年勝ってこれなかった、象徴的なピッチング。調整の仕方とか、もう一度考えてほしい」と語っている。

 とりあえず長いトンネルは抜けたが、その先、野球の神様を本当に振り向かせるには、日本を代表する、本当の二刀流エースになるには、どうすればいいか。大谷には重い宿題がまだまだある。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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