ホークス、スアレス“わずか3球の大仕事”「打者に向かっていくことだけ」
連日の好救援、工藤監督「球威とコントロールを買った」
6-3でソフトバンクが勝利した1日の西武戦。お立ち台にこそ上がることはなかったが、“わずか3球の大仕事”でチームを勝利に導いたのがスアレスだ。
2点リードで迎えた8回表、先発の武田翔太が2死一、二塁のピンチを作る。打席には前の打席で3号ソロを放ったばかりの中村剛也。一発が出れば逆転という場面で、工藤公康監督は前日に1回2/3を投げているスアレスを送り込んだ。
「1イニング(を任せる)ということは考えてなかった。ランナーがいてもクイックは速いし、球威とコントロールを買って投げてもらった」
中村との対決は、初球がインコースで空振り。2球目は外寄り高めいっぱいを見逃し。2球で簡単に追い込むと、最後は外角高めに外れるも、ハーフスイングを取られて結果は空振り三振。3球とも153キロの渾身のストレートだった。
「しっかりとストライク先行で打者に向かっていくことだけを考えた」とスアレス。前日4月30日も1死一、三塁のピンチを救う好救援を見せたばかりで、連日のホールドを記録。メキシコでのプロ歴はわずか1年。春季キャンプで “鷹の秘密兵器”といわれた右腕が、これほど早く頭角を現すことになるとは、誰も予想していなかったはずだ。
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藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura