強烈なインパクト残すSB新助っ人 アッという間に「勝利の方程式」の一角に
相手チームの勢いを止める圧巻投球
その裏、日本ハムの攻撃。中田翔が凡退したが、続く大谷翔平が東浜の浮いたカーブを捉え、左中間席へ5号ソロ。1点差に迫り、さらにドーム全体がヒートアップした。続く近藤も左前安打を放って続き、迎えるは先の2戦で3本塁打を放っていたレアード。逆転劇への道筋が見えてきた中で、出てきたのがスアレスだった。
レアードの打席。152キロの真っすぐ、134キロのスライダーで簡単に追い込むと、最後は153キロの真っすぐで空振り三振に斬ると、続く市川友也も見逃し三振。一気に日本ハムナインを、日本ハムファンを意気消沈させたに違いない。回をまたいだ8回も、四球で走者を出したものの、付け入る隙など与えずに無失点。この段階で“勝負あった”と言えた。
この前日、4日にもマウンドに上がっている右腕。この時は四球と犠打、敬遠の四球で1死一、二塁とされたが、後続を二者連続三振。真っすぐは来日後、最速となる159キロをマークしていた。
先も記したように、今季からソフトバンクに加わったスアレス。昨季はメキシカンリーグのサルティーヨでプレーしていたが、それも1年だけ。一昨季までは母国ベネズエラで工事現場などで働きながら、アマチュアチームでプレーしていたというから、驚きでしかない。
しかも、ソフトバンク首脳陣は今季、この25歳をファームでじっくりと育てていく方針だった。日本野球や文化に慣れること、クイックや牽制など、日本の緻密な野球へと対応させるために、技術の習得が必要と判断していたからだ。