開幕時はマイナー拒否で話題に 「大幅修正が必要に見えた」韓国人打者の今

「いったんヒットを放つと、調子を上げ始めた」

 記事の中で、バック・ショーウォルター監督は「彼は、ハードワーカーだね」「みんなが彼を応援しているよ。期待に答えようとしているしね」と称えている。さらに、同紙は開幕後の成績を「予測不可能だった」として、キャンプでは「大幅な修正が必要であったかのように思われた」という金が「いったんヒットを放つと、調子を上げ始めた」と伝えている。

 金は出場機会が限定的な中で、打撃マシーンでの打ち込みに時間を割いているという。現役時代に阪神や韓国・現代でもプレーしたクールボー打撃コーチは「韓国と日本の労働倫理は、僕の経験から言えば、彼らは休暇をとらないことだ。繰り返しバットを振ることで、調子を維持したいんだろうね。調子を維持することで毎回、同じ状態に持っていく。だから彼は出番が来た時、打席で堂々としていられるんだ」と語ったという。

 金はデビューから最初の6安打のうち、3本が内野安打だった。ラッキーとも言える結果だったが、記事によると、打球の初速平均スピードは92.2マイル(約148.4キロ)で、リーグ平均89.1マイル(約143.4キロ)を超えていたという。その後、金は5本のヒットを積み重ねている。

 チームにも溶け込んでいる様子。特集では、金が右腕のマイク・ライト投手と仲がよく、ベンチスタートの時は隣に座って観戦しているという事実を紹介。誰かがホームランを打った後に、2人で種を飛ばしてお祝いしているという。「これはライトと金が考案したした儀式だ」としている。

 記事の中で、金は「ライトが教えてくれたんだよ。お互いに種を飛ばし合うんだ」と話し、ライトも「(金は)ホームランを打った選手と同じくらい興奮するんだ。これが僕たちにできることさ。チームの士気を高めるためにやっているんだ」と語っている。ムードメーカーとしての役割も果たしているようだ。

 同紙の取材に対して、金はポジティブな言葉を並べている。開幕時点ではすっかり“問題児”といった様子だったが、ここまでは順調に来ているようだ。この調子を維持できるのか、そして、レギュラーの座を奪うことができるのか。本当の実力はこれから試されることになりそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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