「我慢」と「適材適所」 首位巨人の好調さの要因は高橋新監督の手腕にあり
現役時代にあらゆる経験をしている高橋監督、「適材適所は見分けやすい」
坂本は下半身のコンディション不良を訴え、登録抹消こそされなかったものの、4月13日のヤクルト戦からは代打での起用が続いた。今季は開幕から打撃好調で、打率3割以上をキープ。その守備力も巨人には欠かせない。だが、高橋監督はクルーズをショートに回すなどして、坂本のコンデイション回復を優先した。同23日のDeNA戦で先発復帰した坂本は、その後も活躍を続けており、15日時点で打率.364と打率トップに立っている。
「ものすごく厳しい見方をすると、あの開幕直後の時期に坂本クラスの選手が下半身の調子が悪いと言って休むのは、調整失敗としか言いようがないと指摘する人もいるでしょう。それを本当によく我慢していると思います。亀井あたりもうまく休ませながら、適材適所で選手を使っている」
野口氏はこう分析する。打線では阿部慎之助が出遅れた中で、新外国人のギャレットを4番に座らせ続けるなど、軸をしっかりと固定。長野の1番起用も当たっている。坂本だけでなくクルーズが抜ける時期もあったが、大きくバランスが崩れることはなかった。こういった起用法は、現役時代に様々な経験をしてきた高橋新監督ならではのものだという。
「ギャレットがいいか悪いかは別にして、4番を固定できたことは大きですよね。坂本、クルーズも万全ならば、クリーンアップを固定できる。でも、何と言っても高橋監督の最大の“ヒット”は『1番・長野』だと思います。ヨーイドンで1番に長野が出てくるのは、相手チームにとっては嫌。一発がありますからね。
例えば、ビッグバン打線で1番を(田中)幸雄さんが打っていたのと同じ。あとは、阪神の真弓さんとか、今岡とか。高橋監督は現役時代に1番を打っているし、2番もある。クリーンアップも打っている。晩年は代打で控える経験もしている。打つ方はすべて自分で経験しているから、適材適所は見分けやすいのかもしれない」