打撃3部門はすべて昨季以下のペース ソフトバンク柳田がぶち当たった壁
ソフトバンク首脳陣は「我慢」の重要性を説くも…
「強打者の打撃を崩すには、やっぱりインコース」。ソフトバンクの藤井康雄打撃コーチは以前に、こう語っていた。それは、柳田にとっても例外ではなかった。厳しい内角攻め、そして、なかなか甘いところにボールが来ない状況が、打撃を微妙に狂わせていった。
シーズン序盤、ソフトバンク首脳陣は事あるごとに、背番号9に「我慢」の必要性を説いていた。打ちたいがあまりに、厳しいボールに手を出すことによって、打撃が崩れることを恐れていたからだ。
5月8日の楽天戦、同10日のロッテ戦(ヤフオクD)で今季初となる2試合連続本塁打を放って、復調気配を感じさせたが、その後の7試合は、25打数6安打の打率2割4分で10三振。相変わらず、他球団からの、死球になりそうな内角攻めは続く上に、柳田自身の打ち損じも目に付く。3、4月の打率2割3分6厘に比べ、5月は打率3割9厘と上昇傾向にあるが、本来の打撃を取り戻すところまではいっていないのだろう。
厳しい攻めはこれからも間違いなく続く。警戒される中で、甘い球を一振りで仕留める。それが出来る状態へと上げていくことが求められる。球界トップクラスの打者へと成長した柳田が、1つの壁にぶち当たっている。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count