広島・田中、3ラン&猛打賞の活躍に緒方監督「本当に頼もしい限りです」
3安打3打点、3ランには「まさか…」
広島の田中広輔が、25日の巨人戦で3安打3打点の活躍で勝利に貢献した。1点差でこう着状態となっていた6回の3ランは、試合の流れを決める決定的な一発だった。
1死一、三塁のチャンスで迎えたこの打席、初球にはセーフティースクイズを試みた。2ストライクと追い込まれたが「うまく切り替えられた。犠牲フライでもいいと思ったが、まさかホームランになるとは思わなかった」という一撃は、レフトスタンドぎりぎりに入った。
直前の甲子園での3連戦ではノーヒットに終わるなど、調子は下降気味だった。それでも前日の最終打席に24打席ぶりの安打を放ち、この日の3安打につなげた。
「(打てない間も)感じとしては悪くなかった。1本出れば変わると思った」というように、初回に先制点につながるレフト前ヒットを放つと、6回は3ラン、7回にも安打を放ち、4月30日以来となる猛打賞を記録した。
緒方監督も「田中は、昨日のヒットが今日につながった」と評し、「本当に頼もしい限りです」と開幕以来、すべての試合でリードオフマンを任せている若きショートストップを褒めた。3安打で打率3割まで間近(.298)としたが、「まだ5月なので打率は意識していない。意識しているのは出塁率です」と、1番の自覚を示した。
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大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo