タイガース守護神がジカ熱感染の恐怖体験を告白
Kロッドが昨オフにジカ熱に感染、米メディアが報じる
先日メジャー通算400セーブを挙げたタイガース守護神フランシスコ・ロドリゲスが、昨オフ、世界を震撼させているジカ熱に罹っていたとESPN電子版が伝えている。蚊を媒介とする感染症のジカ熱は、世界保健機構により勧告が出されており、妊婦が感染した場合、もしくは感染者が妊娠した場合、障害を持つ新生児が誕生する割合が急増するという。
ESPNの独占取材に応じたKロッドは、ジカ熱感染の恐怖体験を告白している。昨オフに故郷ベネズエラに滞在した時、風邪のような症状を発症。時間が経つにつれて症状が悪化し、体全体の痛み、関節の痛み、頭痛などさまざまな症状が消えずに、2週間以上も寝込んだままだったそうだ。ロドリゲスは「あれは風邪じゃなかった。風邪っていえば、くしゃみが出て頭痛があって、タイレノール(市販の風邪薬)を2錠くらい飲んでおけば、すぐに治るもの。普通の風邪は2週間も寝たきりにはならないし、体全体に痛みは感じないし、2週間も頭痛や吐き気や怠さを感じることはないだろ」と当時の様子を振り返っている。
昨年冬といえば、世間がジカ熱の怖さを認識し始めた頃。ジカ熱かチクングンヤ熱(同じく蚊を媒介する感染症)の感染を疑ったロドリゲスは、念のために血液検査を行い、その結果ジカ熱に感染していたことが判明したという。完全に体調が回復したと感じるまで、なんと2か月を要したそうだ。感染の恐れはなかったとはいうが、スプリングトレーニングが始まる頃も決して完全な状態ではなかったという。
8月5日から始まるリオデジャネイロ五輪の開催地ブラジルは、ジカ熱を媒介する蚊が多数生息するため、五輪候補選手の中でも、バスケットボールのスペイン代表パウ・ガソル、米国女子テニスプレーヤーのセリーナ・ウィリアムズ、オーストラリア人ゴルファーのアダム・スコットら、ジカ熱対策について声高に懸念を示していることも伝えられている。こういった選手が今後増える可能性は高いが、ロドリゲスは「彼らを責めることはできないよ」と話している。
記事の中で守護神は「もし将来的に子供がほしいと考えているなら、やはり考えてしまうだろう。注意を払わなければならないことでもある。ジカ熱について、ちゃんと下調べやリサーチをするべきだ」「ワクチンも何もない。注射を打てば治るというわけじゃない。世界的に広まる可能性は十分あると思う」とアドバイスを送ると同時に、ジカ熱に対する不安を口にしている。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count