「理に適っている」田中将大の変化 プレートの一塁側を踏む効果は?

「フロントドア」「バックドア」を使う上でも効果的?

「一塁側を踏んでツーシームを投げれば、曲がりの角度が変わってくるので、曲がり幅も大きくなる。どっちをクロスの強い球にするか、ということですよね。例えば右打者に対しては、三塁側を踏んでフォーシームをアウトローに投げたら、クロスの強い球になる。一方で、一塁側からインコースにツーシームを投げれば、角度がついて、さらに内側に曲がっていくわけだから、余計に打ちづらくなる。

 以前の田中のようなピッチングスタイル、日本にいた時のようにツーシームを投げずに真っ直ぐで『ドン!』と行っていた時なら、三塁側を踏んでアウトローに角度を付けたほうが絶対に有利です。それはそれで当然。ただ、今はフォーシームをほとんど投げず、ツーシーム主体なので、一塁側を踏んで投げるというのは、理に適っていると思います」

 昨年、黒田が8年ぶりに広島に復帰したことで、日本でもお馴染みとなった「フロントドア」と「バックドア」を投げる上でも、効果的だという。「フロントドア」は打者の内角ボールゾーンから変化してストライクゾーンに、「バックドア」は逆に打者の外角ボールゾーンから変化してストライクゾーンに入ってくるボールを指す。田中の最近の投球を見ていると、一塁側を踏むようになったことで、ツーシームを使った左打者への「フロントドア」、右打者への「バックドア」が決まる確率が高くなっている。

「三塁側を踏んでツーシームで(右打者の外角に)バックドア、(左打者の内角に)フロントドアを投げようとしたら、ボールがストライクゾーンに帰ってこない。沈んでしまいます。三塁側を踏むと、真っ直ぐ縦に落ちる感じになる。それを一塁側を踏んで、ストレートの軌道で右打者の外角、左打者の内角に真っ直ぐラインを出していくと、横に曲がってくれる。横の変化を使いたかったら、一塁側を踏んだ方がいい」

 また、わずかではあるが、プレートの一塁側を踏めば、リリースポイントから左打者の内角、右打者の外角への距離は、三塁側を踏むよりも単純に近くなる。野口氏は「ボール一個分、リリースの位置が近くなるだけで、バッターは本当に嫌ですからね。ラインが違うだけでも嫌なものです」と、その効果を明かす。

 田中は昨季開幕前からフォーシームではなくツーシーム主体のピッチングへ移行しようと、試行錯誤を続けていた。そして、今季はほとんどフォーシームを投げなくなった。

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