迫るイチローに苛立つ最多安打ローズ氏 ボンズ氏は日米合算評価「正直あまり関係ない」
イチロー静観「いつも通りのことをするだけ」、初安打から批判を封じて積み上げた記録
渦中のイチローは、ローズ超えに関して興味深い持論を展開している。USAトゥデー紙の取材に対し「もし日本でしかプレーしたことがない選手がピート・ローズを超えた方がスゴイと思う。日本の方が試合数が少ないんだから。メジャーは試合数が多い。だから、日本でだけプレーした選手がローズを超えたら、それこそ信じられないこと」と話したという。
また、日米で見せる盛り上がりについて「取材をしたり記事にしたりしてくれることはうれしいこと。だけど、大事かどうかは気にならない。自分はいつも通りのことをするだけ。そして、チームメイトや近しい人たちが一緒に祝ってくれることが、自分にとっては重要なこと」と静観の構えを見せているという。
数々の安打を積み重ねてきたイチローだが、最も印象深い安打は、2001年4月2日、アスレチックスのTJ・マシューズから打ったメジャー初安打だという。メジャー移籍した2001年の春、キャンプ中にイチローがメジャーに順応できるのかを疑う声が多数あった。
「正直に言うと、あの春、『誰だ、こいつ? ここでやっていくのは無理だろう』という声がたくさん聞こえてきた。自分にとって批評の声を封じ、そこから積み上げていくことは、本当に大きなことだった」
そう語ったイチローは、最後にこうも付け加えたという。
「自分では、そこそこやったと思っているんだけど」
日米合算の記録を認めるか否かの論争は続くだろうが、「そこそこやったと思う」というイチローの自己評価には満場一致で賛成となるに違いない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count