四国IL選抜チームが北米遠征で異例のホームステイ 3日間の経験で得たモノ

34歳の正田樹もホームステイに参加、「もっといたかったなというのが正直な気持ち」

「心の持ち方、考え方っていうのが、すごくゆとりが持てている。そこは去年とは逆ですね。去年ならホテルの部屋でふさぎ込んでいたので、いまみたいに買い物に行くこともなかったですし。すごくリラックスできました。英語に触れられたのも良かったです。お母さんと僕とは日本語なんですけど、周りは全部英語なので。英語というか言葉に触れて、分からないなりにも理解しようとしたり、去年とは全然違う。ホームステイ、僕にとってはすごく良かったです」

 ホームステイ開始前のミーティングで、坂口裕昭四国アイランドリーグplus事務局長は「楽しむことが大事。楽しめ!」と言った。34歳となる正田樹(愛媛MP/元日本ハムほか)も、選手の1人としてホームステイに参加している。ホストファミリーはアメリカで20年以上暮らす岡本さん夫妻だ。パートナーは19歳の平間隼人(徳島IS)である。いきなりホストファミリー3世帯合同でのバーベキュー大会からスタートした。

「15人ぐらいですかね。ホント良くして頂いて。どの家庭、どの選手も同じ意見だとは思いますけど。ちょっと3日じゃ足りないと言いますか。もっといたかったなというのが正直な気持ちですね。ホストファミリーの方には当然、負担になってしまうかもしれないけど、それぐらい良くして頂いて。名残惜しいというか、一週間ぐらいいたかったなという感じですね」

 もちろん楽しめている。ホームステイは高校時代、日本選抜チームのアメリカ遠征で経験して以来だ。

「買い物に連れて行って頂いたり、マンハッタンの夜景を見に連れて行って頂いたり。夫婦そろって仕事をされている方だったので、忙しいなか『どっか行きたいとこない?』とか、すごく気を使ってくれて。ホストファミリーに手を挙げてくれた人のありがたさと言いますか。絶対こういうの、当たり前じゃないですし。これが当たり前だと思ってたら、ちょっとそれは間違いだと思うので。手を挙げてくれた人がいるってことにまず感謝をしないといけないし。そういう人がいてなりたってんだなっていうことの再確認に、あらためてなりましたね。僕ら側からしたら、ホントにありがたかった」

 北米遠征に帯同し、ツイッターを使って生で動画を配信している坂口は、3日目の朝の別れのシーンを撮影するため選手たちの集合場所に出向いている。たった3日間ではあったが、すでに各ファミリーと選手たちとの間に絆が生まれていた。

「僕ねえ、ずっと動画撮ってたんですけど、最後のお見送りに来てくれたのを撮っていて、選手たちの表情。あれは多分、一生忘れないね。精神的に強い選手はいつも通りだったけど、陸(秋山)とか、ああいうおっとりした子たちが笑顔だったんですよね……。あれはすごい効果だなと思いました」

 四国で4球団併せて年間800回以上の地域貢献活動を行っている。先に海外に精通したスタッフに渡航してもらい、現場レベルで人と人とのつながりを組織的なつながりまで広げてみよう。人間同士の付き合いまで高めてみよう。そう考えた。それがホームステイという企画につながっている。つまりは日ごろの地域貢献活動の北米版である。

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