広島・松山、一時は“弱気”も執念の一打
好機で最高の結果、「気持ちだけで」
15日の西武戦で、広島の松山竜平が試合を決定付ける2点三塁打を放って勝利に貢献した。6月の月間打率が1割台と不振に苦しむ中、途中出場での殊勲打は、「本当に最後は気持ちだけで打ちました」という執念の一打だった。
エルドレッドの負傷退場で3回から途中出場した松山は、同点で迎えた5回の1死一、三塁という勝ち越しのチャンスで内野ゴロに倒れ、結果的に併殺となりチームの勢いを削ぐ結果となった。
「前の打席がひどい内容だったので、今度はなんとかしようと思っていた」という7回の第2打席は、新井のタイムリーで1点を勝ち越し、なおも2死一、二塁と追加点の絶好機だった。それでも「ここのところ本当にうまくいかないことが続いていた」という松山は「新井さんが打った時、代打を出されることを考えた」と弱気になったが、「打席に立たせてもらえて嬉しかった」というチャンスで最高の結果を出した。
この打席でも「積極的に行けず、追い込まれてしまった」と2球で2ストラクを取られたが、3球目の低めへ落ちるスライダーをうまく捉え、打球はライトの頭上を越える三塁打となった。松山は「低めのボール球だったが、自分のバッティングができた。明日(16日)からもこういうバッティングができればいい」と安堵の表情を見せた。
交流戦に入って得点力不足の兆候も見え始めた打線は、エルドレッドの離脱が濃厚となり、さらに苦しい状況が予想される。ルナ、プライディなど、二軍に控える外国人選手の昇格も期待されるが、一時は4番も任されるなど、5月終了時に打率.337、5本塁打を記録した松山が復活すれば、リーグ最強打線の再加速も期待できそうだ。
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大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo