四国IL選抜、ジャッカルズにサヨナラ負け 「健闘」からその上へ這い上がれるか

敗戦の中で見えた収穫

 だが今年はここまで昨年の固定概念を打ち破りに行き、それを具現化してきた「カブキJAPAN」。やはりこのままでは終わらなかった。8回表には相手投手の失策から1点を返すと、1死一、三塁から2番・四ツ谷は一塁前へ絶妙のスクイズ。これが同点適時打となり試合を振り出しに戻す。

 そして9回表、2死二、三塁のチャンスに左打席に立ったのは、9番で途中出場の平間隼人(徳島インディゴソックス)。鳴門渦潮高卒2年目、期待の20歳は、思い切りの良さと勝負強さという自らのストロングポイントを融合するかのような痛烈な中前2点適時打。5対3と勝ち越しに成功し、一気にニュージャージー・ジャッカルズを追い詰めた。

 こうなれば9回裏のマウンドはもちろん守護神・平良成(高知ファイティングドッグス)。ただ、ここで選手たちは優位性を緊張に変えてしまう。制球が定まらないながらもなんとか2死二、三塁とした平良だが、3ボール1ストライクからの甘い球を左前に運ばれ5対5の同点・延長戦へ。

 この悪い流れを止めるべく10回裏、中島輝士監督は4番手にダブルストッパーの一角であるNPB中日ドラゴンズからの育成派遣選手・岸本淳希(香川オリーブガイナーズ)を送り込んだが、先頭打者の3番打者に、打った瞬間それとわかるライトへのサヨナラ本塁打を被弾。土壇場で競り負けた。

 ただ、前5試合同様に収穫はある。26歳のアメリカ人左腕のバレット・フィリップス(高知ファイティングドッグス)は、前述のように4回こそ失点したものの、5回66球を投げ被安打3、奪三振3で1失点。与四死球0の制球力は今後もロングリリーフ、先発等、様々な場面で活用できる。

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