歴代4位の146死球は勲章 ロッテ井口はなぜ痛さを表情に出さないのか

「記録の数字というものはある程度、長くやっていればついてくるもの」

 若手への幾多のアドバイスを欠かさない井口だが、やはり一番大事だと考えているのは自らの野球に取り組む姿勢。見られる立場だからこそ、自分に厳しく、どんな時も弱音を吐く事はしない。

「記録の数字というものはある程度、長くやっていれば、ついてくるもの。それこそ、もしかしたら、もっともっといい数字を出せたかもしれない。節目の記録に到達するたびに思うのは、どちらかというとそういう思い。特別な感慨はあまりなくて、その時はもう次に向かっているよね」

 若手を中心に躍動をしている2016年のヤングマリーンズにおいて、この男の存在はあまりにも大きい。オールスター出場9回、日本シリーズ出場4回。メジャーでは493試合に出場し、世界一も経験した飛び抜けた実績の中で自身が学んだものを惜しむことなく後輩たちに託している。

 このメンバーでもう一度、優勝を味わいたい。強いチームになって欲しい。強い想いと願いがそこにはある。なんとも頼もしい井口という大ベテランがいる。だから、マリーンズは強く、粘り強いのだ。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

マリーンズ球団広報 梶原紀章●文 text by Noriaki Kajiwara

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