福留、2000安打は「たくさんの人に支えられた記録」 最も記憶に残る1本は…
「苦しいこともあったが、それを糧にして2000本という数字を達成できた」
阪神の福留孝介が、25日の広島戦で2安打を放ち、日米通算2000安打を達成した。試合後に行われた会見で福留は「ほっとしているのが一番です」と、安堵の表情を見せた。
記録達成まであと2安打で迎えたこの試合、第2打席でライト線に二塁打を放って王手をかけた。「ここで決めたいと思った」と迎えた第3打席、3ボールから広島先発の岡田のストレートをとらえた打球は、鋭いゴロで一、二塁間へ飛んだ。「飛んだ場所が菊池君のところだったので、あっと思ったが、ヒットになってよかった」と記念の一打を振り返った。
福留は「苦しいこともあったが、それを糧にして2000本という数字を達成できた。それもいい思い出」と感慨深そうに話し、最も記憶に残っているヒットを「(2002年に)首位打者をとった年に、それを決めた東京ドームで打ったヒット。争っていたのが松井(秀喜)さんで、相手が相手だったので、本当に嬉しかった」と明かした。
記録達成直後には、かつて同僚だった新井貴浩が花束を受け取り、守備についたライトでは、スタンドからカープファンの声援も受けた。スタンドでは、家族も観戦していた。福留は「周りのたくさんの人に支えられた記録。携わった全ての人が、僕の恩師です」と周囲に感謝し、「その中でも一番近くで支えてくれた家族に感謝したい」と妻と子供に心を寄せた。
チームは試合に敗れ、レギュラーシーズン再開が連敗スタートになったこともあり、「今の状況を受け止めて、乗り越えていかなければいけない」と現状を危惧し、「自分が前に立って若い選手を引っ張っていかないと、チームが前に進まない」と気を引き締めていた。
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大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo