四国IL選抜、3連勝の後に3連敗 指揮官「今回の北米遠征で一番嫌な負け方」

7月3日にキューバ代表との親善試合に挑む四国IL選抜

 ただ、野球というものは難しい。打線は3回以降、無得点。3回までトロワヴィエール・エーグルス先発の右投手から8安打と、高めへ入るゾーンを見逃さず打ち返したところまでは良かった。しかし2番手、3番手で登板した左投手たちはインコースで体を起こし、そこから外角スライダーで空振りを奪いにいく。あるいは外角ストレートをコーナーギリギリに収める。ケベック・キャピタルズの投手陣に倣い、彼らも投球の基本である外角へのコントロールを生命線としてきた。これに四国アイランドリーグplus ALL STARS打線は完全に翻弄される形となった。

 9回裏、ここまでリリーフとして好投を見せていた秋山陸(高知ファイティングドッグス)が2死二塁からサヨナラ中前安打を浴び、7-8。対戦成績は6勝8敗。ただ、何をすればいいか解らなかった北米遠征当初から比較にならないほど、明確かつ修正できる課題は試合の中で出てきている。「今回の北米遠征で一番嫌な負け方」。中島輝士監督がそう評したのも、試合の勝敗を動かせないような力量差が両者の間にないことを感じ取っているからだ。

「自分を含めチームとして、もっと何か策はなかったのかな」。小林義弘の抱く疑問を行動に移し、結果に変える。疲労の蓄積、スタイルの違い。「カブキJAPAN」「KABUKI SPIRITS!」を掲げ、上の世界で勝ち抜くべく、タフに戦うことを至上命題としている彼らにそんな言い訳はできない。表面上はさらに意欲的に、かつ様々な溜まったものは吐き出さず黙々と業をこなす。そんな戦いを残り6試合続けてほしい。

 現地時間7月2日の18時(日本時間7月3日7時)からはこの地、トロワヴィエールのスタッド・フェルナンド・ベタールでキューバ代表との親善試合に挑む。四国アイランドリーグplus ALL STARSと曲線をクロスさせるようにキャンナムリーグ通算成績を7勝7敗に戻してきたアマチュア野球最強集団。ただ、日本の独立リーグ選抜チームに敗れればその過程もすべて吹っ飛ぶ彼らと比べ、「四国アイランドリーグplus ALL STARS」は負けても大勢に影響なく、勝てば間違いなく日本国内外から賞賛を得る。平たい言葉を使えばこんな「おいしい」試合はない。これまでの自分たち、さらに言えば四国アイランドリーグplus、日本独立リーグに対するすべての固定概念を覆せるチャンスが目の前に転がっているのだ。

 トロワリヴィエール・エーグルスとの3連戦第2戦は、現地時間6月25日18時5分(日本時間6月26日7時5分)より行われる予定。「カブキJAPAN」最大の「KABUKI SPIRITS!」を発揮するための準備を創れるキャンナムリーグ参戦は残り5試合である。

四国アイランドリーグplus ALL STARS
043 000 000 | 7
022 300 001x | 8
トロワリヴィエール・エーグルス

四国アイランドリーグplus ALL STARS :佐藤、フィリップス、嘉数、岸本、秋山-垂井
トロワリヴィエール・エーグルス:Schonfeld、Neal、Kuzminsky、DowningーLafrenz

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