清宮へは真っ向勝負― 勝機探るライバル校の投手、捕手
清宮弱点分析も「克服しているようにも見える」
坂倉も昨年の負けた悔しさを忘れてはいない。外野手だったが、今年は捕手。映像で清宮の弱点を探している。
「弱いと思っていたところを見つけたんですが、最近のニュースやデータを見ると克服しているようにも見えます。でも、彼1人と試合をするわけではないので、全体の打者を見て勝負していきたい」と高校通算50号を放つなど、成長を続ける大砲をどのように料理するか、常に頭で描いている。
坂倉も昨年の決勝戦の様子を鮮明に覚えている。「球場全体が早実の空気になったことはわかりました」と雰囲気が試合の流れを作るということをその試合から学んだ。「だから、僕は絶対に逃げません。清宮もそうですが、四球で歩かせたりしたり、向こうの空気になる」と球場全体を敵に回し、やりづらくなると予測。「打たれたくないですけど、打たれたっていい。前に走者を出さないことを心がけていきたいと思います」と対策を練っていく。
歓喜と悲哀が渦巻いた昨夏の決勝戦の大逆転劇。2年生だった伊藤や坂倉らの中には強烈な印象として残り、教訓となっている。まだ彼らの耳には1年前の余韻が残っている。先輩たちの悔しさを晴らし、自分たちが輝くための夏が始まる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count