イチローが明かすメジャー1年目春の心境「孤独な感じがした」

懐疑的な米批評家たち、大挙した日本報道陣…視線を一身に受けた日々

 これまでメジャー史上29人しか達したことのない通算3000安打の境地へ、一歩一歩近づいているマーリンズのイチロー外野手。現在は2989本で、大記録まで残り「11」本に迫っている。記録達成間近の背番号51を、日米両メディアが熱心に取材しているが、そんな中でも自分のルーティンを変えずに淡々と準備を進めるイチローがメジャー1年目を振り返る様子を、米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」電子版が「完全打者イチロー・スズキが反論の余地がない数字を射程内に」という見出しの特集記事で伝えている。

 数々の記録を塗り替え、新しい歴史を生み出した今でこそ、「イチロー」という名前は野球ファンなら誰でも知るところとなった。だが、今から16年前の2001年、マリナーズに入団したイチローがキャンプインした時、そこで待っていたのは周囲の懐疑的な目立ったという。「日本からやってきた小柄な男を見て『誰だ、これは?』って言ってましたよ」と通訳を介ながら、イチローは当時の様子を振り返ったという。

 日本ではすでにスターだったが、アメリカでは27歳の“新人”。スラップヒットと呼ばれる独特なコンタクト打法を小馬鹿にされることもあったようだ。また、日本からは大勢の報道陣がやってきて、イチローの一挙手一投足を事細かにリポートする。「あの春は、多くの目に見つめられていましたね」と語るベテランは、当時の心境をこう振り返ったそうだ。

「緊張もしてたし、心配だったし、怖かったし、ワクワクもした。いろいろな感情が交じっていました。でも、僕は孤独な感じがした。あの春、多くの注目を浴びて、敵というわけではないけど、常に監視されているような気がした。そんな気がしましたね」

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