「スポーツ・ツーリズム」を通じて見る、日米のビジターファンの「居場所」
ホームとビジターのロッカー格差が一番大きい球団は?
日本ではホームチームが必ずしも1塁側なのかと言えば、実はそうではない。パ・リーグに所属する北海道日本ハムファイターズ、東北楽天ゴールデンイーグルス、そして埼玉西武ライオンズは3塁側にホームのベンチを設けている。プロ野球の規定としてはっきりとした決まりはなく、球場の特性を考えた上でホームチームが有利となる方を選んでいるのではないだろうか。
私がメジャーリーグの現場で仕事をしていた頃は、多くの時間を各球場のクラブハウスで過ごしてきた。ホーム側とビジター側で「差」を作ることでホームチームに有利な環境を作り出す球場も少なくなかった。ホームチームの一員として過ごしていた居心地の良い空間が、同じ球場にビジターチームの一員として訪れれば、一気に居心地の悪い空間となるところも経験した。
今、メジャーリーグでホームとビジターのロッカー格差が一番大きいのがシカゴ・カブスのリグレー・フィールドだろう。
私がこの球団で仕事をしていた頃は、充実したスペースを誇るクラブハウスとは言えない空間だった。それが大規模な改修工事により、ホーム側のクラブハウスは見違えるようなスペースとなった。だが一方でビジター側のクラブハウスの改修にはまだ着手しておらず、工事が行われるのも2018年シーズン終了後と先延ばしにされている模様だ。ただでさえ古い球場であり、メジャーリーグで一番狭いといっても過言ではないクラブハウスなのだが、ホーム側が改修したことでその格差はさらに大きなものとなった。
米国ではメジャーリーグだけに限らず、ホームで戦うことを有利にする「仕掛け」が多い。