「スポーツ・ツーリズム」を通じて見る、日米のビジターファンの「居場所」
「レッドソックスファンは全米どこでも現れる」!?
メジャーリーグではビジターチームに厳しい印象を与えたかもしれないが、千葉ロッテが力を入れるような敵地への遠征企画を実施している球団もいる。ボストン・レッドソックスが取り組みを続けている「レッドソックス・デスティネーションズ」という企画がその1つだ。
航空券、宿泊費、観戦チケット代が含まれたツアーで、野球観戦の旅ならではの特典も含まれている。敵地の球場ツアーやチームグッズの配布、そして試合前にはレッドソックスの現役選手によるサイン&写真会なども実施されている。これはフェンウェイパークへ遠征に来るファンにも同様の企画が行われている。
「レッドソックスファンは全米どこでも現れる」という印象はあるが、こういった地道な取り組みが形となっているのだろう。印象的だったのは、ボルチモア・オリオールズとの遠征でカムデンヤーズを訪れれば、赤い服を身にまとった人のほうが多かったことだ。なかなかチケットが取れないフェンウェイパークでの試合に比べ、簡単にチケットが入手でき、直行便では1時間半程度で行ける距離なども要因としても挙げられるだろう。ファンがチームと共に遠征をしたいと思わせる企画を打ち出すのも、ファンを増やしていくには欠かせない。
各球場ビジターファンに対しても居心地良い環境を作り出すのか、それともホームアドバンテージを前面に打ち出すのか。スポーツ・ツーリズムがうたわれる中、それぞれが空間をどう彩っていくのかも今後楽しみだ。
(記事提供:パ・リーグ インサイト)