【日米大学野球】 MLB目指す米国大学代表の日系三世 来日で「ルーツをたどれてうれしい」
ケストン・ヒウラの来日に日本人の祖母と二世の父も大喜び「みんな応援してくれる」
第40回日米大学野球選手権で来日した全米代表チームのメンバー表に目を通すと、日本人には親近感が沸く名前に気が付く。「ケストン・ヒウラ」。カリフォルニア大アーバイン校でプレーする内野も外野も守れるユーティリティプレーヤーだ。
現在2年生のヒウラは、父方の祖母が日本人という日系三世。今回の日本遠征を心待ちにしていたという。
「自分のルーツをたどれるなんてうれしい。滅多にないこと。祖母も父も本当はみんな一緒に来たがったんだけど、仕事があったり用事があったりで来れなかったんだ。その分、楽しんでくるようにって送り出してくれたよ」
第1戦は指名打者で出場し、第2戦はベンチから戦況を見守った。本来のポジションは二塁とセンター。内外野をこなすユーティリティプレーヤーとして、米国代表チームを支える。侍ジャパンと対戦し、「アメリカではあまり見ない投球パターンだったり、試合運びだったり。1戦1戦がとても勉強になるし、いい経験になっている。何よりも、日本でこうやって野球をプレーできたっていう事実がうれしいね」と誇らしげに話した。
身長183センチ、体重85キロと決して大柄ではない体格だが、堅実な打撃と守備を信条に、1年生だった昨季は大学の記録を次々と塗り替えた。秀でているのは運動能力だけでなく、学問の成績も優秀。全米でも有数のカリフォルニア大アーバイン校に進学した理由の1つは、カリキュラムの充実度だったという。だが、将来の目標に掲げるのは、もちろんメジャーリーガーになること。
「生まれ育った場所はロサンゼルス・ドジャースのテリトリー。だから、ドジャースの大ファンとして育ったんだ。最高の夢はドジャースの一員としてプレーすること。でも、どのチームでもいいからメジャー球団と契約して、メジャーリーガーになれたら本望だよ」
残り3戦では、二塁手もしくは中堅手としてプレーする可能性も高い。日本にルーツを持つヒウラが、どんなプレーを見せてくれるのか、注目だ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count