イチローへの敬意溢れた敵地の“歓待” 名捕手は「大事な瞬間」に粋な計らい
セントルイスで昨年に続き喝采、「カージナルスファンからイチローへ素晴らしい拍手」
マーリンズのイチロー外野手は15日(日本時間16日)、敵地でのカージナルス戦に代打で出場。センター前ヒットでメジャー通算2991安打として、3000安打の金字塔に残り9本とした。野球通の集う敵地ブッシュ・スタジアムでは8回に打席に立った背番号「51」にスタンディングオベーションが巻き起こったが、相手捕手の粋な計らいもあり、この場面はさらに感動的なものとなった。試合は7-6でマーリンズが逆転勝利を飾っている。
8試合連続ベンチスタートとなったイチローはこの試合、1点のリードを許した8回1死走者なしの場面で出番を迎えた。「アテンション・プリーズ!マイアミのフェルプスに代わりまして背番号51、イチロー・スズキ」。場内アナウンスが響き渡ると、敵地ブッシュスタジアムのスタンドには拍手が鳴り響いた。その音量は次第に大きくなり、客席から立ち上がるファンも多かった。昨年、同じセントルイスでイチローが日米通算4193安打として、メジャー歴代2位のタイ・カッブ(通算4191安打)を抜いた際にも、観客はスタンディングオベーションで快挙を称えていた。
試合を中継する地元テレビ局「FOXスポーツ・フロリダ」の解説で、阪神などで外野手としてプレーしたエドゥアルド・ペレス氏が「カージナルスファンからイチローへ素晴らしい拍手ですね」と言葉を噛み締める。実況も「ヤディアー・モリーナも素晴らしい所作です。喝采が続くように、ホームプレートを外して、かがむまで時間をかけていました」とカージナルスの捕手の粋な計らいを絶賛した。
モリーナは昨季までゴールドグラブ賞8度、オールスター出場7回を誇るカージナルスの看板選手。強肩と頭脳的なリードには定評があり、強烈なリーダーシップで2度のワールドシリーズ制覇に貢献するなど、メジャーを代表する名捕手として知られている。