現場&フロント一体、他球団の“甘さ”…森脇浩司氏が見るセパ首位独走の要因
ソフトバンクと他球団の最大の差は…
勝率は驚異の6割9分2里。一発勝負のクライマックスシリーズ(CS)なら勝機は見いだせるが、今のホークスと対等に渡り合うのは簡単ではない。一時より差は詰まったとはいえるが、この差の大きな要因はホークスは9イニングを27アウトで終える確率が最も高く、下位チームは9イニング33~36アウトの試合運びであったということ、更にはホークス強しと認めながら打つ手を打たずに負けたゲームが多くあったことは残念でならない。
細かくは触れないが、その日のゲームをどう戦うか、同時にペナントをどう戦うか、この繰り返しの中、4月、5月には必要な戦略、戦術、そして餌まきがもっともっとあったように思う。
セ・パともに首位チームが突き抜けてしまったが、過去には10ゲーム差を逆転しペナントを制したチームを何度も見てきた。各球団とも後半戦に向け新たな策を立て巻き返しを狙っているはずだ。独走状態に待ったをかけるチームが現れればプロ野球ファンの方々はより楽しみが増えるだろう。「10・19」、「10・8」、「10・2」、過去に見た歴史的一戦が今年のペナントレースの最後に実現されることをファンの方々と共に期待し、一挙手、一投足に注目して後半戦を見ていきたいと思う。
◇森脇浩司(もりわき・ひろし)
1960年8月6日、兵庫・西脇市出身。55歳。現役時代は近鉄、広島、南海でプレー。ダイエー、ソフトバンクでコーチや2軍監督を歴任し、06年には胃がんの手術を受けた王監督の代行を務めた。11年に巨人の2軍内野守備走塁コーチ。12年からオリックスでチーフ野手兼内野守備走塁コーチを務め、同年9月に岡田監督の休養に伴い代行監督として指揮し、翌年に監督就任。178センチ、78キロ。右投右打。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count