プロ入り10年を超える苦労人 今年ブレイクを果たした遅咲きの選手たち
ソフトバンク&ロッテで輝き放つ苦労人
2016年のパ・リーグ前半戦が終了し、後半戦が幕を開けた。投打で圧倒的な選手層を誇り、現在首位を快走する福岡ソフトバンク。7月に入り北海道日本ハムに2位の座を明け渡したが、依然開幕からAクラスをキープしている千葉ロッテの2チームがパ・リーグを盛り上げてきた。
その中にあって、両チームとも共通しているのはプロ入り10年目を超える選手が活躍を見せている点だ。ソフトバンクではプロ13年目・城所龍磨選手が挙げられる。岐阜・中京高の在籍時に走攻守三拍子そろった外野手として注目された城所は、2003年ドラフトの2位で福岡ダイエー(当時)に入団。FAでオリックスへ移籍した村松有人氏がつけていた背番号23を与えられるなど、球団からその才能を大いに嘱望されていた。
一軍でも次第に出場機会を増やしていき、プロ6年目の2009年には自慢の俊足と外野守備を武器に代走、守備固めを中心に91試合に出場。試合終盤になると代走で登場し、そのまま外野を守るというパターンがこの頃から定着し始めた。スペシャリストとしてチームに欠かせない存在となった城所だったが、昨年は不運に見舞われた。オープン戦で死球を左腕に受け骨折、8月には左肩脱臼とケガが続き試合出場はわずか1試合に終わった。
捲土重来を期した今年、城所はバッティングで「覚醒」する。5月18日の日本ハム戦に代打で登場し自身9年ぶりの本塁打となる3ランを放つと、福田秀平に代わってライトのレギュラーに定着。交流戦ではそのバッティングが冴え渡り、交流戦トップとなる打率.415。本塁打も5本とチームの交流戦最高勝率に大きく貢献し、交流戦MVPを受賞。ファンが期待している城所の才能がようやく開花しつつある。