少ないチャンスで結果を残す――パ・リーグの「一振りにかける男たち」
勝負強さ光るリーグ最年長・井口、本来の魅力を取り戻しつつある西武・上本
今季、代打で好成績を残している選手を見ると、リーグ最年長の井口など、中堅からベテランの域に達した経験豊富な選手が多い印象だ。やはりいつ出番が来るか分からない状況で常に最善の準備をするということは容易ではなく、場数を踏むという経験や実績がものをいうのだろう。
その中でも16年目のベテラン、ロッテ・井口の今季の勝負強さには目を見張るものがある。先制打や同点打、勝ち越し打、逆転打などチームに貢献した一打を示す殊勲安打の数は6。そのうちの3本が本塁打と、未だ衰え知らずのパワーと、日米で培った経験を生かした勝負強さを存分に発揮。上位争いを繰り広げているチームをけん引する。
また、14年目の西武・上本も今季は本来の魅力を取り戻しつつある。ここ3年はいずれも1割台の打率に終わるなど、不本意なシーズンが続いた。しかし、今年は代打で勝負強い打撃を見せるなど3割を超える打率を残し、貴重な役割をこなしながら打棒復活の気配を見せている。
いくらレギュラーが固定できているチームでも、代打の力が必要となる場面は試合中に必ず訪れる。そんなときにチームを一振りで救ってくれる貴重な存在がいるかどうかで、勝敗やシーズンの順位も大きく変わってくるだろう。
ほとんどの場合が1打席しかチャンスがないため、試合の中で出番を目にする機会はあまり多くはないが、「1打席で結果を残すことは難しい」ということを再認識し、代打の仕事ぶりに注目することをオススメしたい。
(記事提供:パ・リーグ インサイト)