「先駆者」の功績に高額寄付 米メディアが伝えたイチローの知られざる素顔

懐疑の目を払いのけ、道を切り拓いた二グロリーグ選手に共感

 メジャーへやってきた当初は、日本で見せた技術がどれだけ通用するのか、疑う人も多かった。そんな懐疑的な目に囲まれながら、自分の実力を証明し続ける姿は、黒人選手がメジャーへの道を切り拓いた姿に似ている。ケンドリック氏は「二グロリーグからメジャーに移籍した選手たちと、イチローが通ってきた道は並行していると感じていました。周囲からの疑念を振り払い続けなければならなかったのです」と話したという。

「打席に立ったとき、誰も助けてはくれませんから。自分の力でやり抜くしかないんですよ」

 打席での心得を問われたイチローは、通訳を介して、こう答えたそうだ。

 初の日本人野手として前人未踏の地を切り拓いてきたパイオニア(先駆者)は、数え切れないほどの打席で孤独な戦いを重ねてきた。自らの経験を基に二グロリーグの偉人たちの苦労に思いを馳せ、変わらず野球をプレーし続ける姿で自らの思いや経験を後進に伝える。プロ野球生活25年を迎えるベテランは、今日も同じルーティンを繰り返しながら、3000本安打という金字塔に歩を進めていく。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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