イチローのような選手は現代野球で見当たらない!? 米専門誌が凄さ検証

走攻守と三拍子揃ったイチロー、データ比較も似たタイプは見つからず

 記事では「Baseball-Reference.com」を参照すると、データ上でイチローに似た選手として上げられているのは、ザック・ウィート、フレッド・クラーク、ハリー・フーパー、マックス・キャリー、ウィリー・キーラーなど、1919年以前の本塁打が少なかった「デッドボール時代」の選手ばかりであることを指摘。打てて走れて守れるイチローのような選手は、現代野球ではほとんど見当たらない、としている。

 さらに、イチローは極端に単打が多いことも特長だ。記事によれば、1947年にジャッキー・ロビンソンが初の黒人メジャーリーガーとなって以降に殿堂入りした野手と比較しても、通算単打数では誰よりもイチローが上回るそうだ(7月21日現在、2442単打)。

 また長打率から打率を引いて純粋に打者のパワーだけを抽出するIsoP値を見てみると、イチローは.091だったという。この数値を下回る、つまりイチローよりパワーのない打者は殿堂入り選手の中で、オジー・スミス(.066)とルイス・アパリシオ(.081)だけだったそうだ。だが、守備とスピードで知られた2人は揃って生涯打率.262とイチローより低く、決して似た存在とはいえない。

 打撃練習では見る者を驚かせるパワーを披露するが、いざ試合が始まれば安打量産に徹するイチロー。打てて守れて走れる。イチローのように本当の意味で三拍子揃った選手は、メジャーの長い歴史を紐解いても見つからないようだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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