少ない出番でもヒーローに― 広島・安部「いつでもいけるという気持ちで」
猛打賞の安部、1打席目に手応え「どこで出てもヒーローになる気持ちで」
22日の阪神戦で、広島の安部友裕が3安打1打点の活躍でお立ち台に上がった。8試合ぶりのスタメンでの活躍に、安部はヒーローインタビューで「最高です」と絶叫した。
7月に入ってスタメンは4試合目と、出番がやや減っていた安部だが、「結果をやっと出せました」と安堵した様子だった。1打席目に、9球粘って低めの難しい球をうまく打ち返してタイムリーを放つと、5回には追加点となるヒット、7回にも安打を放ち、今季2度目の猛打賞を記録した。
安部は「とにかく1打席目がよかった。難しい球だったけど、前回に甲子園で藤浪と対戦した時、注意していた球だった」と、最初の打席で勢いをつけた。「今日の藤浪は、荒々しさがなかった。ゆったりしたフォームから速い球を投げ込んできていたので、タイミングが遅れないようにした」と対策を明かした。
今季は三塁でのスタメンが増えた安部だが、ルナの復帰で出番は減っている。「なかなか試合に出られない人がたくさんいる中で、いつでもいけるという気持ちでいる。先発でも途中からでも、どこで出てもヒーローになる気持ちでやっている」と力を込めた。
緒方監督が「安部、松山と、あまりスタメンで出ていない選手が活躍してくれた」と喜んだように、レギュラーでない選手が、少ない出番でヒーローになる。今季の広島の強さの一端見せつけた試合だった。
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大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo