日ハム栗山監督、日米200勝の黒田博樹に「男の生き様を見せてもらった」
プロ20年の快挙達成に刺激「ああいう選手を一人でも多く育てなきゃ」
日本ハムの栗山英樹監督が24日、日米通算200勝を達成した広島・黒田博樹投手へ祝福のメッセージを贈った。
オリックス戦(札幌ドーム)の試合前に報道陣の取材に対応。前夜、日米を渡り歩いての大台達成となった右腕への思いを語った。
「かっこいいよね。(広島に復帰した時に)『日本に帰ってきてくれて、ありがとう』と言ったよ。男の生き様を見せてもらっているし、そういう選手が子どもの憧れになる。『プロ野球はすごいんだ』と」
黒田はメジャー移籍前は150キロを超える剛速球で押す投球スタイルだったが、メジャー移籍後からボールを動かす投球スタイルに変化した。栗山監督は、この投球の“進化”に目を細める。
「(日米の)環境の変化に対応して、負担のかかるマウンドで中4日で投げて、なおかつ投球が進化したわけだから。やっぱり負担、苦しみを自分の成長のチャンスなんだと本当に思えるか。その差は大きい。『年齢も重ねてきたし無理かな』と思うと、ダメな方向へ向かう可能性があるから。自分も実感したのは監督になってから。クロみたいに、現役の時に気がついている選手はすごい」
日本ハム監督就任前には取材者として黒田と接してきた。強烈なインパクトを受けたことがあるという。
「一番印象的だったのが(ドジャース時代の09年に)頭に打球が当たって救急車で運ばれた時。復帰してすぐ取材させてもらったんだけど、『本当に死ぬ。家族をどうしよう』と思ったらしい。なんかかっこいいいよね」
96年ドラフト2位逆指名で広島入り。プロ20年、525試合を投げての快挙達成となった。
「(昨オフに)もしかしたら引退の可能性が、と言われていたけど、球界としては大きなプレゼント(日米通算200勝)をする責任があったと思う。クロにとっては大した記録ではないかもしれないけど、オレは日本ハムからああいう選手を一人でも多く育てなきゃって思ったね」
日本ハムは23日まで最近21試合で20勝1敗と快進撃を続けている。首位・ソフトバンクと最大11.5ゲーム差から3.5ゲーム差に縮めた。他球団投手の活躍を刺激に変え、首位浮上を目指していく。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count