首位独走の広島は「戦い方がうまい」 本当の強さはどこにある?
「大瀬良がポテンシャルを出したら、いよいよ死角がなくなる」
「エルドレッドが帰ってくることがあれば、外国人はどうするのだろうというのがありますね。先日、横浜-ヤクルト戦を解説した時に両チームのコーチが言っていたのは『ヘーゲンズは外したらダメなのではないか』ということでした。今の広島の強さの象徴は打線と見られていますけど、実はあそこです。
ヘーゲンズ、ジャクソン、中崎。そして、先発が5回で降りた時には、今村が出てくる。一時期の阪神のピッチャー陣に似てきました。JFK(ウィリアムズ、藤川、久保田)がいて、その前に桟原、橋本、江草がいた。ピッチャーのタイプが違うとはいえ、しっかり抑えるという意味では、あの頃に似てきましたね。ヘーゲンズとジャクソンは同じ右投手とはいえ、タイプが違う。変化球ピッチャーと豪腕なので、うまくいっています。
もちろん、ジョンソンは絶対に外せない。先発ピッチャー陣も、とんでもなく安定しているジョンソン、黒田という2人がいるから、うまく回っています。黒田には思うように勝ち星がついていませんけど、安定感は抜群です。だから、野村も安定して投げていて、それがどんどん勝ち星という結果につながっている。まだ下に福井もいますし、戻ってきた大瀬良がポテンシャルを出したら、いよいよ死角がなくなってしまう」
シーズンは残り約2か月。大失速しないかぎり、このまま25年ぶりのリーグ制覇を果たす可能性は高いと見られるが、実際にはどうなのか。野口氏は他チームの力を考えると、やはり広島が有利だと見ている。
「これだけの打力で勝ってきたチームだから、落ちる時は来ると思います。その時にどれだけ頑張れるか。ただ、逆に下から見ていくと、上がっていけるチームがない。どこが追いついて、追い越していけるだけの体力を持っているかと考えると……。巨人も悪いところにいないですけど、いっぱいいっぱいの状態ですよね。これ以上は望めない気がします。この調子でいくと、可能性があるのは、横浜にミラクルが起きた時、ヤクルトの戦力が整った時くらいかなと。いろいろ考えて比較していくと、カープも苦しむことはあるかもしれないですけど、結果的には最後までこのまま行くのではないかと。私の開幕前の予想は完璧に外れてしまいましたが(笑)」
久々の歓喜へ、広島が有利であることは間違いない。新井の通算2000安打、黒田の日米通算200勝、そしてリーグ優勝。ファンにとっては夢のようなシーズンになりそうだ。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count