グラブ職人が明かす名手のこだわり イチローのグラブは「作り甲斐がある」
「本当に大事に使っていただいて、作る方としても嬉しいですし、作り甲斐もある」
3000安打達成間近というタイミングとなったが、今回も定期訪問で「実際にグラブを持参してくるので、それについての聞き取りです。実際に使って違うような現象が出る可能性もあるので、その第一印象を(聞く)」という。
マーリンズに入団した昨年、イチローがグラブやバットを丁寧に扱う様子は、地元メディアでも大きく取り上げられた。グラブをオイルで磨いていることなどを紹介し、野球用具を「トロフィーのように扱う」という表現も使われた。メジャーの選手に比べて、日本のプレーヤーは道具を大事にするが、その中でもイチローは別格だろう。
岸本さんは「本当に大事に使っていただいて、作る方としても嬉しいですし、作り甲斐もあります。たとえ(グラブが)駄目でも大事にしてくれていますので」と話す。さらに、そのグラブで超一流の守備を見せてくれるのだから、職人冥利に尽きる。
メジャー史上30人目の3000安打という偉業が近づき、今はイチローの打撃に大きな注目が集まっている。最近4試合は代打のみの出場で、守備にもついていないが、最高のグラブを左手にはめて外野で躍動する背番号51の姿も、もっと見たいところだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count